伝統の1号前掛け

〜『一号』前掛け、復活ものがたり〜 前掛け

30~40年前の前掛けの'厚み'が復活!「1号前掛け」完成
1960年代の高度成長を経て、1970年代から80年代にかけて、日本のものづくりは大きな転換期を迎えます。

日本の製造工場は「はやく」「やすく」「大量に」「均一に」の4原則で製造を続けていましたが、
その頃から繊維産業をはじめとする様々なものづくり産業が中国など海外へ製造をシフトし、
日本の技術を守り続けることが難しくなっていきました。
「失われた40年」という言われ方もしますが、技術、人の継承が出来なくなっているのが現状です。

日本の前掛けもそのような大きな歴史の流れから、
30~40年前を境に、次第に「生地」が変わっていきます。

前掛け業界での呼び方として、「1号」→「2号」→「3号」と言う通称があるのですが、
順に次第に前掛け帆布の糸、織りが変わり、結果生地の厚さも変わっていきました。

そんな中、我々エニシングとしても、一度、前掛けの原点、に戻った'一号前掛け'を作ることで
次の新しい未来が見えてくるのでは、との想いが常々ありました。

前掛け 前掛け

そこで、愛知・豊橋で前掛けの'織り'の最後の一人となっている我々の前掛けの師匠である芳賀さんと共に
「40年前に作られていた'1号'の厚い生地、1号の前掛けをもう一度復活させよう!」
と、試織を行い、40年前当時の風合い、厚くてやわらかい生地がついに完成し、2011年10月より、正式に販売開始となりました。

 

1号前掛けとは

エニシングでは、日本で最後に残った前掛けの産地・愛知県豊橋市の前掛け織り工場で '1号前掛け'を作っています。 師匠・芳賀氏の元で、エンシングの3名の若手職人が織っている「1号前掛け」 には大きく3つの'特徴'があります。

その1:太い糸で、厚く織る!
→明治~大正に発明された「シャトル織機」を使い、昔の前掛け本来の厚みをを現代に蘇らせた'1号前掛け'。糸の番手で言うと、「二番」の太さの糸を使い織っています。「ぶ厚い」と「柔らかい」という、一見反することを同時に実現しているのも、師匠・芳賀氏直伝。厚く、長持ちする生地、それが最大の特徴です。

その2:人の体にフィットする、やわらかい生地!
→織物は、縦糸と横糸をどのように打ち込むか、で生地の風合いが大きく変わってきます。一般的な「帆布(はんぷ)」と異なり、糸や、打ち込み方の工夫で、体に自然になじむよう、やわらかい生地になっています。

その3:伝統の色、色落ちしない染め
→厚手の生地をやわらかく、色落ちもほとんどなく染める。エニシングの染め生地は、洗濯堅牢度の検査でも高いランクを保っています。染めは主に東京都内で行っています。

その他、エニシング前掛け、の特徴を見て行きます。

前掛け帆布◎特徴その1:糸について
・通常アパレル等では使われない、太い番手の糸を使用。
紡績も国内(九州)で行われ、紡がれた糸が愛知豊橋に運ばれ、シャトル織機にかけられます。

前掛け帆布◎特徴その2:織機について
・豊橋工場では、「シャトル式力織機」が現在も現役で動いています。その都度糸調子を変えながら、1枚ずつ織ります。手作り感のあるやさしい風合いの独特の生地になります。織機は約20台中10台が現役稼働しておりますが、そのうち2台が「豊田自動織機」。大正3年に豊田佐吉氏によって発明された「N式」が今も毎日動いています。(織機の製造は戦後、昭和24年)。トヨタの創始者・豊田佐吉氏はお隣り静岡県今の湖西市の生まれ、豊橋にも一時住んでいたとのことですので、TOYOTAと前掛けの関係が今も続いている、感慨深いものがあります。

前掛け帆布◎特徴その3:織りについて
・エニシング製 '前掛け帆布' の特徴は、体に巻きつけるため、「横にしなる」「使い込むほどやわらかくなる」ことがあげられます
・その秘密は...、生地を織る際に、豊橋の芳賀氏独自の手法で糸を工夫し織っていくことで、横方向に柔らかさが出るようになっています

前掛け帆布◎特徴その4:フサ(房)について
一番下についている、フサも昔ながらの前掛けの特徴で、相撲の化粧まわしの流れも汲むのでは、という説や、神社のしめ飾りなども関連、由来がある、との説もあります。

前掛け帆布◎特徴その5:ミミ(耳)について
厚手の生地をやわらかく織る、昔ながらの「シャトル式織機」の特徴でもある、両端のミミ。これが何とも言えず可愛いんです。やさしい風合いで織ることの出来る前掛けの織機だからこそ、のミミです。1枚の前掛けに、これら多くの手、想い、が込められ、作られていきます。自動、大量生産の生地とは風合いの全く違う、本当のやさしい、昔ながらの前掛け生地をお楽しみください。

 

豊橋前掛け工場(動画)